川崎で家庭内暴力に悩んでいる両親へのカウンセリング
高校2年の男の子で一人息子です。小さい時から両親は子供を溺愛し欲しがるものは何でもかなえてやっていた。しかし、小学高学年になると親の注意も聞かなくなり手をやき、てこずる事が多くなっていた。
中学生になると自己主張が強くなり、親がちょっと言ったくらいでは言うことを聞かなくなり、自分の言い分が通らないと少しずつ暴力を振るうようになっていた。息子はよく学校を休むようになり気ままな状態になっていた。
其のころからネット依存になりゲームを一晩中やっていて、親の言うことは聞かなくなり食事も不規則となり母親の手作り料理を嫌い、本人の気にいったスナック菓子ばかりを摂取することが多くなっていた。食育とはまるで逆の毎日で昼夜逆転した生活を送ってしまっていたため朝起こしても起きない。
無理やり起こしたことで機嫌を損ね親を殴るようになり、学校に行かなくなっていった。
両親は新聞やテレビでネット依存のことを見聞きして我が子も同じなのではと心配になりネット依存症の本を買って読んでいたが息子がことどとく該当するため、知識をつけるほどますます心配になっていた。
こうした背景から来談にいたりカンセリングを開始した。
むろん家族全員での来談が好ましいのだが状況的に息子さんが来ることはなく両親とのカウンセリングを定期的に行っていた。
カウンセリングからこの家族が家庭でどのような状況であるかが見えてきた。
ひとリ息子さんと家族で会話したりする習慣がなく親が息子さんの意見を全面的に受け入れていた。
息子さんが小さい時は要求する内容が簡単に解決するので、悩むことはなかったと話す。
ところが中学生になると友人関係も広くなり、ネットでコミュニケーションをとるようになり親のわからない部分が多くなってきた。男の子なので、小さいころのようにいちいち説明がないのでどんどん子供の存在が遠くになっていった。
中学2年になると高校進学の問題が出てきた。
中学校も休みがちになっており勉強も遅れるばかりなので、どの高校がいいのか本人ですらも選ぶことができない状態だった。四苦八苦はしたが何とか高校に入学はできたがほとんど行ってない。心配した両親が何で行かないのかと聞くと、自分で希望したところでないから行きたくないし、面白くない。と繰り返すばかり。
不登校の息子と真剣に向き合った両親を待っていたのはさらなる家庭内暴力
お母さんは、思い切って息子さんと家族で話し合う機会を持った。
高校もいかないでどうしたいのか、今の自分の考えを聞かしてほしいと息子を刺激しないように問うてみた。
今までそのようなことが無かったことや両親からのまっすぐな質問に少し戸惑いを見せたがこれと言って考えはない様子だと話す。
しかしある日、息子さんから両親が酒とたばこをやめれば、俺も変わると話したと言う。
二人とも酒・たばこは子供が小さい時からやっているので、絶対やめられないだろうと思っての発言なのか真意はわからないが、突然の息子の意外な発言に一瞬言葉が出なかったと言う。
お母さんは息子が酒飲むなと言うなら、やめて息子の言われることを守りたいと話す。でも、たばこはやめられない。
お父さんは、息子のために酒もたばこもやめる気はない。毎日、頑張って仕事をして帰ってきた後に息子から自分の趣味嗜好にまで口出しされることに当惑しており、なぜ言う通りにしなくてはならないのかわからないと話す。
頑として勝手にしやがれを通している。
そのような状況で息子さんはネット依存の生活はかわらず続いていた。
そんな中、ある時のカウンセリングでお母さんが息子さんに嫌がることを言ったら突然ゴミ箱をおかあさんの後頭部に投げつけて大出血をして大騒ぎになったと話す。
息子さんは慌てる様子もなく嫌なことを言ったお母さんが悪いと言う。
お母さんはわが子と思ってもこんな大きな怪我をさせられたことに恐怖を感じこれ以上、一緒に生活したくないと話すようになっていた。
それでもお母さんは我が子を何とかしたいので、家庭内暴力について色々と調べていた。すると、ある病院の先生がネット依存症の事を書いた本を見つけた。
すぐに購入し藁をもつかむ心境でその病院に受診予約を取ろうと電話したが、本の影響なのか予約もとれない状態になっていた。
それでもなんとか予約を入れてもらい結果としてその時から3か月後にやっと受診予約が取れた。
これで何とかなるとお母さんは安堵していた。
息子さんは受診に応じてくれるか問題が残るが、それまで親子の話し合いを続けて親子の会話の時間を増やすことでお互いの歩み寄りを取ることができればよいがと思っていた。
これまでのカウンセリングで息子が主張したのは唯一、
「酒とたばこをやめること」
である。しかし、お父さんの一番の楽しみのたばことお酒は子供に言われたからと言ってもやめる気にはなれない、と話す。
お父さんもきついお仕事をしているので、ホッとしたい気持ちを大切にしてあげたい。
息子が発したことばの真意は本人と話をしていないのでわからないが話し合いの時間が少しでも多くなるよう家族三人で辛抱強く話し合うことで、それぞれの本当の気持ちがわかりあえ、歩み寄りの関係が成立する。
いつかお互いが笑いあえるような時が来ることを願っている。
ネット依存症になってしまったケースが多数手掛けている専門の病院に受診予約ができたので、きっとそこから回復できる方法が見つかることを願ってカウンセリングは終了になった。
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