女手ひとつで子供を育てた気丈な母が淡々と人生を語る

子供が小学生の時 夫と離婚しその後は養育費もなしで昼夜働きずめの毎日で二人の子供も大学卒業させて社会人にしたが母親の苦労は、子供には伝わらなかったと話す。

その当時は実家に世話にならないために必死に働いたが子供と話し合う時間がなかったので、それぞれが勝手な考えで母親だけがお金のために頑張っていた。離婚したことで子供に負い目があり辛いことや大変なことは一切話さなかった。

できる限り子供の要求は大人になってもかなえてやっていた。これが母の子供に対しての償いと思っていた。と言う。

80半ばに癌の宣告を受け手術は無理なので抗がん剤治療を受けることにした。

本人は子供にさえ病気の真実を打ち明けることもなく知らないままに済ませようと思ったらしいがあまりに重い状態なので子供に連絡して治療の事を医師から聞かされた。

医師は余命を告げられ何も治療しなければ短くなるとまで話された。突然のことで病気の重さの意味も理解できずに抗がん剤治療に踏み切ったがあまりの辛さに途中で治療をストップとなる。

医師は抗がん剤治療をやめると後でしたくなっても不可能ですと話すが本人も家族もあまり深く考えられない。

医師の見立て道理に病気は進行して食事も通らなくなり緩和ケアーに入院となる。先が見え隠れしても親しい友人にも知らせず親戚にもなるべく話さず子供にも辛いことを話さなかった。

子供は、母親の弱い姿を見たくないのか安心しているのかあまりお見舞いも来ないと話す。

本人は緩和に入院してからは、本人の話があれこれ1時間も途切れることなく話していた。

ただ寄り添って聞いていた。

一人でよくここまで頑張ってきましたねと声掛けすると何も頑張ってないと話す。話が何回も絶え間なく続いていたある日、

「私はみんな話尽くした もうおしまい。」

というのです。そんな時子供さんから{おふくろは弱ったふりして甘えている}と言われる。
お母さんは子供に弱みを見せないで今まで生きてきたが生きることにつかれているのだから甘えさせてあげてはどうですかと話す。

子供から見れば母親はいつまでも強くあってほしいのかもしれないが疲れたの言葉を受け入れてあげてほしい。と思った。

子供に弱みを見せずに旅立つ

ただひっそりと子供に頼ることもなく

最後の日まで静かに子供がそばにいてもいなくても冷静に甘えることもなく過ごしていった。

話の内容は恨みも・何もなく・遺産相続についてもすべて残ったものが争うもよし・仲良く分けるもよし・何をするのもよしとぽつんと言っていた。

本人の心は何の執着もなくなっていた様子に見えた。夫から子供を守りたくて離婚したと言っていたがその大切な子供にも執着なくあの世に旅たっていったように思う。

本人は、今まで自分の事を一切言わないで生きてきたが最後にたくさん思いを言ったことで軽くなってあの世に旅たったのでしょうか。
どうにもならない状態になり自分が見えてきたのか消えていった感じである。

何も自分の事は話さない方が胸の内を話す相手にカンセラーを選んでいた。

これでよかったのかもしれない。

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