10年辛抱した母親がカウンセリングで心の疲れを吐露

夫と死別したので息子夫婦と同居をした。10年間辛抱したが嫌になりアパートを借りて一人住まいとなりストレスを抱えている状況で心理カウンセリングを受けに来談。

死別した旦那はとは人の紹介で結婚したがギャンブルが大好きで仕事したお金はほとんど使ってしまい生活が苦しく家も買えなかった。
息子が一人いたが働かなくては食べていかれないので、近所の人に預けて働きに出て家計を支えていた。

幼少の頃の息子は喘息持ちで病弱のため事あるごとに医者通いをしていた。お金がないので医者に行くのも苦労したと話す。夫は10年前、癌で3年間患って亡くなったがあんまりにも苦労かけた夫なので亡くなっても寂しくなかったと話す。

やっとかわいい息子夫婦と同居できた

旦那が亡くなった後、一人息子が結婚して広いマンションを買えば同居できるから頭金1000万円出してもらえないかと持ち掛けられた。喜んでやっと貯めた1000万円を渡してこれで老後は安心と思っていた。

後は自分のおこずかいは、少ない年金があればいいと思っていた。

ところが同居を開始して自分の考えと現実があまりにもかけ離れていることにストレスを感じるようになってきた。

カウンセリングを受けるきっかけは2世代同居における理想と現実のギャップ

住み始めた当初から若干の違和感は感じていたが住み続けるうちに慣れてくると思っていた。
しかし、時間の経過と共に息子のお嫁さんとソリが合わなくなってきた。

息子夫婦には子供がいないので、次第に大人3人でいることに息がつまる思いがしてきた。お嫁さんは几帳面で何かと姑に口うるさく注意してくる。

トイレの紙を使いすぎる
洗面所が汚くなっている

小さいことをぐちぐち言ってくるので、言われるだけでは辛くなるので口ごたえをするもそんな毎日がだんだん嫌になってきた。
心では息子夫婦との同居を解消したいと思うようになっていたがお金もないしアパートを借りて一人で暮らすのも不安があり実行に移せなかった。

嫌だと思うとどんどん嫌な思いが募ってくるし、息子はお母さんが悪いというしケンカ両成敗ではないので、息子への気持ちも薄れてきた。

それでも10年間自分をだましだまし我慢したがお嫁さんの態度も変わらないので、友人にアパートを探してもらいついに別居した。

この時期にカウンセリングをもとめて来談してきた。 

息子夫婦と同居したが10年後別居(女性)

カウンセリング少しづつ明らかになる自分の人生

自分の夫は酒飲みでギャンブラーなのでバラ色の人生等最初からあきらめていた。早期に離婚も考えたが親が離婚しないでと懇願するので我慢してきた。と話す。

彼女の話しを寄り添って聞きながら心の中にある辛さが伝わってきた。
それまでの人生でため込んだストレスは発散する場を失っており凝り固まってしまっていたように思える。息子夫婦との同居はそんなため込んだストレスに対する希望、クモの糸であったことだろう。
その希望すらも10年間で打ち崩されてしまっており来談に来た時にはすがるものも無く疲れ切った状態であった。

カウンセリングを重ね、丁寧に話を聞き自分の人生をゆっくりと見つめ返すようにすることで本人に変化が訪れた。
とにかく話すことを大切にした結果、夫への気持ちが少し変わってきて息子への尊敬の念も少し出てきた様子だった。

手塩にかけて育てた息子、自慢の息子であったが今思うと息子の言うことを聞いてあげる事が愛情と勘違いをしていたかもしれないと話し始めるようになってきた。
必死に働いて得た少ないお金であったが、息子が車が欲しいと言えば惜しげもなく出費し車を買ってあげたと話す。

マンション購入時の頭金1000万円も同居ができると思い考えなしで出してしまった。1000万円も息子が出してくれと懇願してきたが溺愛していた息子の頼みだからと何も考えないで渡してしまった。

まさかこうなるとは思ってもいなかった。と悲しい顔でうつむきながら話す。

別居に際して息子に1000万円を返してほしいと言っても
「金はないよ」と言うだけでそれ以上の回答はない。

別居するにも十分なお金がなかったがこれ以上、一緒にいたくもなかったのでどうにでもなれと別居に踏み切ったようだ。

そのころは息子に騙されたのかと思うようになり悔しくて頭が変になると話す。

高齢でもあるので今後どうなるかと思うと夜も眠れなくなる。息子に世話にならない方法があるのかと尋ねられたので、包括支援センターに相談するのも一つの方法と促す。

こんなつらい思いをしているのに息子からなんの連絡もない。
現在の生活は以前住んでいた家の近くに古い友人(85歳)がいるのでその方に日常生活を世話になっている。と話す。

カウンセリングを通して出てきた本音「息子の気持ちがしりたい。」

悔しくていっそ死んでやろうかと思った。こんなことなら有り金を全部マンションの頭金として渡さなかった、まさか別居になるとは思いもよらなかったと泣きながら話す。

お金に関してあまりにだらしない息子に不信感を覚えるようになっていたこと、同居してからも車を買い替えかえるからお金を出してと無心してくるのでお金がないと断ってきたがどこまでせびってくるのかと恐ろしくもなっていた。

お嫁さんもいるのにお嫁さんもお金をもらうため息子と一緒になってせびってくるのかと思うと余計怒りが出てくる。と話す。

これまでにも家族の問題はたくさんのカウンセリングを行ってきた。その中でもこうしたお金に起因する問題はとても根が深くなることを十分に承知している。
残念ながらこうした家族間の問題は積極的に警察も関与してくれない。
心の叫びは痛いほどわかるが、双方の話し合いしかないでしょうと伝えた。

息子は小さい時からかわいがってきたし大学までだしたし仕事もついているのに結婚後は何もしてくれなくなったと話す。

お母さんは現在87歳、腰が悪く背を丸めて部屋の中を何とか歩いている。病院へはタクシーで行っている。
ある時、頭が痛くなり病院で受診してもらうと頭から転んでいるので頭に血が固まっていると言われ入院し手術した。

3週間くらいで退院になった。息子は一度見舞いに来たが何も言わないでさっさと帰っていった。と話す。

病院から退院の時、息子のお嫁さんが来てくれたので人の心があるのかと思ったが掛かった入院費用について、

「お母さんの病院費用を出すお金はありません」

言いに来ただけだったと話す。

お母さんの胸の内として病院費用の半分くらいは息子が負担してくれるかと思っていただけにこの発言には落胆を超えて怒りすら覚えたと話す。

今は自分の貯金通帳も息子に見せないで隠している。残金は少なくいつまで一人暮らしができるか不安な状態なのにと話す。

何があっても息子夫婦には頼めないとはっきりわかった。

今後どうしていけばよいのかと心配しているので、介護制度や老人施設入所について説明した。

息子に世話にならないで老人施設に入ろうと思ったが条件もあるし介護度もあるので今すぐは入れない。やっとここまで理解することが出来た。

退院後に息子が来てご飯でも一緒に食べに行くかと言ってくれたので、うれしくなったが数日後、食べられないと中止の電話があった。お嫁さんの反対があったと言う。

息子のやさしさにふれたと思ったがやっぱりこれかと現実の厳しさに目が覚めた。

家庭の中に介入することは難しいので、本来は息子夫婦と今後の事を話し合ってほしいのですがお母さんから話し合いを持つことは難しいし。それもしたくないと言う。

今は息子への思いは断ち切れたように見えたが息子との絆を切られるくらい辛いことはないと話す。残念ながら息子夫婦はお母さんの気持ちを察する余地は伺えない。

後日、彼女は今まで我慢する事がいい事と思い夫の事も息子の事も飲み込んできたがこんなに丁寧に自分の話を聞いてもらったことはなかった。

いろいろ自分の事を聞いてもらい心が整理されありがたかった、息子夫婦には世話にならないで、時期が来たら老人施設に入所すると心に決めたと話す。

自分の行く末をしっかり決めていく姿に頭が下がった。いつか息子がいてよかったと思える時が来ることを願いつつカウンセリングを終了した。

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