チック症の娘と早期退職した父の狭間で過度なストレスを抱え来談

小さいころから摂食障害があったり、学校も休みがちでお母さんは何かと手がかかっていたが 大きくなったら元気になるだろうと思っていた。
その後も精神的に虚弱なところがあり、気難しさは成長するとどんどん周りを困らせるまでになっていた。

成人しても仕事につかず家で家族に強くアタリながら暮らしいている。家族も嫌だと思っているが近所の手前もあるしケンカもできないし娘にも勝てない。

最近は、チック症で奇声を上げ、暴力に出ることも頻繁になってきた。
短い間ではあるが安定した時期もあったが父親との関係が最悪になり、父親が出かけると台所に入って食事をつくりだす。そんな毎日にお母さんはどうしてよいか悩んでいた。

お父さんも体調を崩し早期退職をして行くところもなく大抵は家にいるので、お母さんが温泉にでも行くように手配してあげたりもするが長い事はいけない。
お父さんは自室にこもっているがトイレもないしエアコンもないので、暑い日は熱中症にならないか心配している。

お父さんは、なるべく家から外に出るようにしている。雨の日は行くところもないので自室で静かに寝ている。

家族で一緒に食事などしたことがない。
お父さんは近くでお弁当買ってきて一人で食べたりしている。

お母さんはお父さんの体調も気になるので、食事を作ってあげたいが娘が台所を占領していて作れないと話す。

娘は食事にはうるさく自分で作りはするが材料選びから調理までかなりの時間がかかっており、一日中台所にいるような感じになっている。

娘と夫の事で頭がいっぱいになっているのにお母さんの実母はわがままで入所している近くの老人施設施設から何度も呼び出しをもらっていた。その度に施設においてもらえるように頼んでいると話す。

そんな状況の中、一人では問題がありすぎてとてもさばききれなくなり私のところに訪ねて見えた。
自分は何をしたらいいのかわからなくなったと話す。

カウンセリングから母としての意志の強さを垣間見た

お母さんは娘を診療内科に受診させたが、

「私は精神病でない」

と言い張り、薬も拒否していて他人の言葉は全く受け付けないので、いつもそこで話が終わってしまう、とあきらめ顔で話す。

病院の医師は薬が必要な状態と話している。
お母さんも娘が40歳にもなるので、嫌と言うものを無理に飲ませる事もできない。
しかし、精神の乱れがエスカレートしてくるので恐れていた。

お父さんが嫌いでお母さんと家を出て二人で住もうと責められるがお母さんはそんな金銭的な余裕もない。

お父さんのことも心配だし・実母も気にかかっているので、家を出ることは出来ないと話すと怒りだす。

お父さんがいないと娘さんは自分の食事つくりをするので、その時間だけがお母さんをほっとさせていた。
娘の行動を冷静に分析すると、お腹がすいてくると怒り出し、奇声や手をあげだすことがわかってきたと話す。

この問題を解決することは簡単ではない。

娘さんに自分の病識を認めてもらうために入院させるのも方法の一つ。

家族で出来ないのであれば専門の機関・病院の相談員とか積極的に相談して良い方法を見つけていくことです、と伝える。

このままでは娘さんはどんどん悪化していくことがわかったからである。

お母さんは悩んでいてもご主人が病気で力になってもらえないので、他人に相談する勇気が湧いてこないと話す。

お母さんが家にいないと娘さんは大騒ぎになるので、長い時間外にも出られないと言う。

息子さんも結婚して外に出ているが娘さんがいると家にも入れてもらえないので相談もできなかった。

このままでは良い方向にはならないので、娘さんに診療内科の治療を受けてもらえるようにすることを一番に考えましょうと伝える。

カウンセリングを続けていくうちに考えも整理されてきたようで、お母さんも自分がただおろおろしていてもだめだとわかってきた。今まで自分も逃げ回っていたように思う、そのうち何とかなるかもしれないと娘や夫に淡い期待さえ持っていたと話すようになってきた。

娘さんもご主人も治療が必要な病気だと思うので、医療機関に相談しましょう。と再度伝える。

家庭内の問題は少しずつ大きくなっていくので、その中に居る家族は事の重大さが感じられなくなってしまいがちだ。

「そのうち何とかなる」

と解決策を考えることをやめてしまう。

家庭内のことを外部に相談するには勇気が必要です。
そんな時、お父さんや息子に相談出来たりして家族の連携が取れると解決の糸口も早く見つかる。

しかし、それが出来ないので、カウンセラーに相談しようと来所したと話す。

お母さんの困難な問題をじっくり聞き、お母さんの意思に沿いながらどうしたいのかを丁寧に聞いていった。

お母さんはお父さんと娘と三人で仲良く暮らしたいとはっきりした目標をもっていた。

そのためにはお父さんと娘さんは専門の治療が必要なので、お母さんが行動を起こしましょう、と背中を押してあげた。

今後の対策をがハッキリしてくるとお母さんに強い意欲が見えてきた。

その後しばらく連絡がなかった。

久しぶりのカウンセリング来談で近況が聞けた。

夫は通院で治療をしている、娘さんは大変だったが入院することが出来たということだった。

母は強しです。お母さんの勇気を讃えました。

これからも難問山積だとは思うが一歩を踏み出しそれは確実に良い方向へ向かっていることが確認できた。

いつの日か平穏の日が迎えられることを祈ってます。

チック症の40代娘と同居の母

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