横浜で父親の愛情をまったく受けずに大人になった息子の葛藤

カウンセリングに訪れた男性は小さい時から一人息子で母親と祖母にかわいがられ父親の存在を感じないで育っていた。父親は息子であっても自分の胸に抱くこともできず普通の父親ならば抱くであろう、かわいいという気持ちすらもわからなかった。

そのような家庭環境で息子は大人になった。

 母親は病弱であったため、幼少期の男の子らしく外で遊ぶこともなく家の中で遊んでいた。
勉強も良くできたため人一倍、母親は息子をかわいがっていた。

息子は父に遊んでもらった経験もなく大人になる迄、顔を合わせる事も少なく彼の中に父親の存在はなかったと言葉少なげに語った。 

息子が大学卒業し就職したころ母親は亡くなった。
母親は財産を父親には遺産相続できないようにしていた。

実家は祖母も母親も亡くなり空き家同然になっていた。

かつて父親は何らかの店を営業しており自信もそこで住んでいたという。
わりと勝手気ままな生活をしていたと言う。

母親が亡くなった後も父親が現役で働いていた時は特に不自由はないので同居することなくお互い離れて住んでおり音信不通同然で過ごしていた。

その父も70代になると少し認知症も出たてきた上、難病で足がマヒ状態になりトイレに行く事も困難になり、お店を廃業し空き家になっていた実家に住むようになった。

一人では住めないので介護認定を受けケアマネジャーがついて介護保険サービスを導入するようになった。

息子はほとんど父親の状態もしらなかったが自分が保護者にならざるを得ないし介護の事をあれこれ考えることになり困っていた。

息子は独身であり介護の事は、まったくわかっていない。

父親は歩けないがしゃべることはできるので、息子に無理難題を振りかけていた。
息子は母親の財産を引き継ぎはしたが、お金をたくさん持っていると父親に言われるとことさら嫌な思いをすると語っている。

実の息子とはいえ親子らしい事をしてもらってないのでまとにも親子の会話が出来ない。
息子は親戚もなく相談する人もいないのでカンセラーに相談する事にした。

あまりの親子関係が希薄であるし、息子も自分の意見がまとまってないので、何回もどうしたいのかと話し合いを重ねた。ここまで来るのに、かなり時間がかかった。

父親を愛せない

息子の意向を聞きながらアドバイスして父親を安全な老人施設に入ってもらえるように父親を説得してみてはどうかと話した。

しかし父親は老人施設に入れるのは親を捨てることだ!と大騒ぎし簡単には息子の意見を受け入れてようとはしなかった。息子は介護保険サービスも使っているので、ケアマネージャーと連携してなんとか父親を説得した。

有料老人ホームは空いてさえいればすぐ入れるので息子さんがきちんと施設費を払えるかを確認すると支払うと言うので、近間の施設に入所するまであまり時間はかからなかった。

父親はわがままに生活していたので施設に入ってもすぐなじむことはなく事あるごとに呼び出されたと話す。
さらに父親からたばこ持ってこい・酒を持ってこいなど、ことあるごとに連絡してくるが息子は父親に会いたくないのでその都度引き伸ばしたりしていた。

どんな親だとしても動けないということはとても辛いことだから少しだけでも気持ちを汲んであげるように話してみた。

カウンセリングが進むと父親が煙草を吸いたいと連絡してくると息子も渋々、持参したりする様になったが会話はほとんどないと話す。

父親が老人施設に入所し今後大きな問題も起きないこともあり、定期的なカウンセリングは終了し何か相談したいことがあったらまたご連絡をくださいとしカウンセリングを満了した。 

息子さんは嫌でも父親の保護者になったことや、多くの方と関わる事で大人に成長していった。
息子さんとお父さんの間にあるふたりの気持ちは出発点から違っていたのでどれだけ時間をかけても親子の情を回復するのは困難でしょう。

息子さんが父親をどこまでやさしく受け止められるかわからないけれど、父親の存在を少しでも感じられるように成ってほしいと思う。

施設の中でスタッフにやさしく囲まれて介護・看護されながら天寿を全うされることを願うばかりです。

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