カウンセリングにきた母親に必要なのは息子の成長に自分が適応すること

息子は小学生中学年であり、学習障害の疑いがあると医師から言われている。

現在 漢字が覚えられないがスポーツ・算数・ゲームが好きで2歳頃はチックがあったが今は改善している。
そのころからコミュニケーションが苦手で、友達とあまり遊ばず家で母親の傍でゲームをしていた。
母親の教育方針はするどく、息子が世間で失敗をさせないために先手を打っていた。

失敗させないことが親の愛情と思っていた。初めての子育てなので何事にも細心の注意をする。
母親として息子に丁寧すぎるくらい、口うるさく接していたので、息子は母親の意見を求めてから行動するような子供になってしまった。

心理カウンセリングの基本はヒアリング、しかし時にはお手伝いもある

心理カウンセリングは基本的にアドバイスはせず自身が自らやるべきことに気づくように仕向けるのだがきっかけを作ることはある。

特に今回、相談者である母親は自分がやってきたことに自信を持っており意見が通りづらい状態だった。
そこでいくつかきっかけになるようなアドバイスを試みた。

まずいつまでたっても自主性が育たないから、先に親の意見を言うのでなく子供の意見を引き出すようにするように伝えた。

さらに失敗は恐れる事ではなく成長するためには必要なのだと子供に話して、子供が行動していく中で失敗しても親は怒らないで、勇気をもって行動したことをほめるようにしていく事で失敗の恐怖がなくなるでしょう。と伝える。

さいごに母親は失敗をとても恐れているので、子供の行動範囲が狭くなっている。 母親の目があるところで遊んでいれば、安心をしているので、子供がのびのびと成長できないと思う。と伝える。

息子の成長にあわせる母親

カウンセリングで気になったのはストーリー上に父親の姿が見えないことであった。そこでさりげなく尋ねると父親は出張が多く家に居る事が少ないので、母親が一生懸命 躾をしていたと話す。
父親は、子供をかわいがっているが時間的が少ない。

そこで子供が自主的に行動できるように少ない時間でも会話や遊びを通して子供をしっかり受け止めてほしい。と伝える。

男の子は父親の後ろ姿を見て育つと言われているので父・子の信頼関係を持てるように母親にも協力してほしいと伝える。 

カウンセリングがすすむと息子に変化が音連れた事が分かってきた。
母親が長男との口げんかが絶えないと話す。頭ごなしの言い方に長男は反抗している。

父親とは冷静に話せていると言う。

母親の話し方を工夫してみることで改善される可能性があることを気づかせるようなカウンセリングを行った。
結果、長男の良かったことは大きくほめる。出来なかったことにも怒らないで何故そうなったか考えさせたりして目くじら立てない。方針をとるようになった。
 長男が考えたことを自分の意見として発言してもらう。頭ごなしにいい悪いを即決しないで、母親が全面的に一度受け入れ一緒に考えていくようにする。
母親の考えを押し付けないようにする。どんどん自我が芽生えてくるので、長男を尊重する言い方になってくる。

母親が少し変わった瞬間でもある。

心理カウンセリングを通して母親がきづいたこと、息子のためとは誰のため?

お母さんが落ち着いて構えれば、長男も安心していろいろ話始めるでしょう。今までのやり方を変えなくては長男は話さなくなるでしょう。
人間は話せば怒られるとなれば話さなくなります。
傾向として男の子は親より友達を選ぶようになります。

お父さんとは毎週会えないけれど、月に一度でもしっかり父・子の会話や遊びが出来ればきっと長男はお父さんを頼りにして相談するしょう。

お母さんは感情を前面に出さないで、冷静に長男と話すことです。
母と長男の距離を程よくして、話し方も長男の意見を率直に受け入れます。お母さんは自分の意見として私はこう思うよと二つの意見を持つことです。

きっと整理されて感情的にならないで口げんかは、少なくなるでしょう。
カウンセリングを通したことで母親の息子に対する考え方に変化が生じました。
息子にどう接すればよいかを考え、悩み結論にいたったことで母親みずからも今までのやり方を変える結果になりました。

子供の成長を見せつけられたので、お母さんも成長するでしょう。

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