長女がある日をさかいにキレて大声を出すようになった(横浜)
小学中学年の女子 下に幼稚園の弟がいるが活発でお母さんについて回るので、お姉さんに気を配る事もできないでいた。
お姉ちゃんもまだ小学校なのでお母さんに甘えたいのに、いつも弟ばっかり面倒をみていて自分の言うことを聞いてもらえないと考えるようになった。
しばらくするとお母さんが、
「お姉ちゃんは我慢してね。」
と発言するたび。その言葉に耳をかしたくなくなりお母さんに何かを知らせたい時はキレて大声を出すようになった。
お母さんはお姉ちゃんの癇癪は一時的なものですぐやめるものと思って軽くあしらっていたがどんどんひどくなる。
声も大きく、尋常ではなくすぐキレる娘の姿が気になりだし病院に相談したりするが改善の気配はなく、お母さんもいつしか心を痛めるようになっていた。
このころからカウンセリングを受けることになった。
お姉ちゃんは学校では友人間も良く学校の先生もほめてくださる。
しかし、家に帰ると何につけてお母さんにキレて大声を出していると言う。お母さんは、力ずくで説き伏せようとしたがお姉ちゃんは聞いてはくれない。
お母さんはお姉ちゃんがなぜこのようになってしまったのかもわからず、これからどうしてよいかもわからない状態である。
子供の癇癪は親の気を引くための行動であることが多いのでカウンセリングで、お母さんに娘さんが静かに話し合う機会を作りましょうと話す。
弟さんがいては話せないのならば、ご主人に下のお子さんを預けて公園などに遊びに行ってもらうとかして、娘さんがお母さんを一人占めできるような場を作りましょう。とした。
娘さんはきっとお母さんと二人になれる事を喜ぶでしょう。二人きりの時間ができたら以下のことを頭に浮かべながら話をしてみましょう。
- お母さんが自分の心をゆっくり話したら娘さんはわかってくれるでしょう。
- お母さんも今まで出来なかった事をごめんなさいと言いましょう。
- 娘さんにお母さんにどうしてほしいのか聞いてみましょう。きっと何かしてもらいたいことがあるでしょう。
- 最初から向かい合って話をすのは、娘さんにもお母さんにとっても話しにくいでしょうから娘さんを膝の上に抱いたり・背中をさすりながら話しましょう。お互いに心の内が抵抗なく優しく話せると思います。
お母さんが真正面で娘さんと向き合うことで娘さんの心をしっかり受け止めることが出来るでしょうと話す。
カウンセリングを続けていくうちにいろいろなことが見えてきた。
お姉ちゃんだけではなくお母さんも考えることがある
下のお子さんが生まれてからお姉ちゃんを抱っこしてあげたり・ハグしてあげたりしなくなっていた。自分では平等に子供たちに接してきたつもりだったがいつしか下の子にすべてを向けていたことにきづいた。
そしてお母さんは反省していた。
お母さんは、カウンセラーの提案をすぐ受け入れ娘さんの言い分を丁寧に訊き、何でもゆったりと受け取るようにしたと話す。
心の叫びというのは一晩で出来あがるものではない。少しずつ小さな破片のようなものがだんだんと大きくなりある一定を超えると形となって姿をあらわすもの。カウンセリングで気付いたことを実践してもすぐに効果が出るわけではない。
それでもこれが正しいと信じて行うことで少しづつ状況は変わってくる。何度目かのカウンセリングの際、お母さんから娘さんのキレ癖が少なってきたことを知らされた。
お母さんはとても喜んでいたので安心したが1つだけ付け加えた。
カウンセリングはここで終了かもしれないが子育てはここで終わりでなくこれから思春期を迎えるのですから母と娘の関係を良好にしていくためどうするか家族で向き合っていきましょうと話す。
お母さんは不安な気持ちで娘との話し合いを考えていたがおもっていたよりスムーズに運び話し合うこと(お互いの気持ちを言いながら理解し合う)に少し自信がついてきた様子が見えた。
娘さんは真面目な性格で外では神経を使って過ごしているのでしょう。
家に帰ってもお母さんが弟のことばかりかまっていて、つねにあたふたしている姿をみみて私がいるのよ、もっと頼って!と言いたかったのでしょう。それがキレるという行為に表れることで自分の存在を示したかったのかもしれません。
お母さんは娘がキレて大声を出している話をする時は、目にいっぱい涙を浮かべて話していた。
お母さんは小学校の頃、実母と死別していた。その悲しみを心に押しとどめながら娘には他人に後ろ指刺されないように小さい時からしつけは厳しくしていたと話す。
お母さんは自分は自分、子供は子供とわけて考えるべきだった、躾のやり方が良くなかったかもしれないと反省していた。
これからは娘さんと楽しみながら娘・母の関係を築いていきましょう。
おしゃべりしながらお料理を娘さんに教えることで食事も楽しくなるでしょう。
お手伝いの楽しみもわかってくれるでしょう。家族全員がやさしくなれるように心を配りましょう。
少しずつキレて大きな声を出さなくなってきたがまだ心配事はあると話す。
登校班で通学を決められているが娘さんは嫌だと言う。理由は他の友人と比較して落ち込んでしまいストレスになると話す。一人だけ外れる事は出来ないでしょうから学校から帰ってきたらハグしてよく行けたねと褒めてあげましょう。
感情的にケンカしてしまった時も冷静になる迄ゆっくり待って話を聞いてあげましょう。お母さんの意見はなるべく控えて娘さんの気持ちを聞きましょう。
娘さんは特にお父さんを嫌がっていないが思春期になってくるとどうなるかわからないので常にお母さんが娘さんの心を支えてあげましょう。
夫婦も時には、ハグしたりして気楽に話ができる関係にしましょう。
子供はお父さん・お母さんが仲いいことがうれしいのです。
下の子が男の子なので、小さい時からお父さんとの関係を密にして話し合いができるようにすることで娘さんも下の男の子も安心して親と接することが出来るでしょう。
子供の教育は、母親がするべきと思っているお父さんもいますが違います。お母さんと二人で話し合いながら 困ったときはお互いにどうするか考えながら子供の気持ちを素直に受け止める事を大切にしていきましょう。
変わらずカウンセリングは続いていたが明るい内容が増えてきた。徐々に両親と娘さんの関わりもできてきて娘さんがキレて大声を出すのも少なくなってきた。と話す。
お母さん自身も感情のコントロールが上手くいかないことがあるらしいし娘さんや下の男の子も同様な状態があるようで、家族が感情をマックスにもっていかない工夫をして支え合う必要がある。
どこの家でも同じようなことはあるのですが家族がどのように支え合うかが大切です。
お母さんも子育てを一人でやろうと一生懸命にならないで、家族の信頼関係があれば楽しく過ごせると伝えました。
家族の中が楽しくなればお友達関係もやさしくなれるでしょう。
お母さんは、話しながら涙を流して、できないことを自分で攻める傾向にあると言われましたが完璧な人間などいません。
もっと力を抜いて何でも受け入れられる大きなお母さんなりましょう。
趣味などをもって友達と子育て以外の話をすることも自分を見つめるのにいいと思います。
お母さんも子育ての楽しさがわかり始めたので、カウンセリングを終了した。
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