高齢出産の独り息子からまさかの発言そして自分なりの答えを導くまで
高齢出産でたった一人息子が授かりかわいがって育てていた。社会人にもなり自慢の息子になりお嫁さんを迎えて三人で暮らすことを夢見ていた。
小さいながら家屋敷もあるので、安心していた。働き者の母親は70歳になってもビルのお掃除をしたり、趣味の民謡を練習したり、夫に先立たれても元気で働きながら息子にお金の苦労はさせないようにとせっせと働いていた。
大切な息子にお嫁さんが決まりお母さんはうれしくてみんなに言いふらしていた。
ある日、マンションに息子夫婦が突然きて、
「お母さんと一緒には住めなくなった」と切り出された。お嫁さんの実家に家を建てることになったと話す。
お母さんはあんなに息子夫婦と同居して孫たちと遊べると思っていたのに。
あまりのショックでお母さんは1か月寝込んでしまった。友人に励まされても意欲がなくなりこのまま死んでもいいと思ったと後で話していた。と話す。
お母さんは孝行息子と言っていたので、友人・知人には話せないという。お母さんは1か月過ぎたころカウンセリングに来談してきた。こんな理不尽なことがあっていいものかと思いを聞いてもらいに来たと話す。
お母さんは心の内を何度も何度もカウンセラーに聞いてもらいたいと通ってきた。一番心が折れたことは、
「これからは一人で生きてくれと息子が言った」と言う。
「お嫁さんの親を見るからお母さんは見られない」と。言われたと話す。
こんな悲しいことがあるのかとお母さんは泣いて話した。お母さんは何か月も来談しているうちに突然、
「私は息子がいなかったと思えばいいのです」と話す。
それからお母さんは別人のように元気に明るくなって働いては、趣味をたくさん増やして息子の事は口に出さなくなった。
お母さんに寄り添って聞いてあげると自分自身で心の内を整理をし、しっかりと生き方を考えていけるようになる。
信頼関係も深まってくるとしっかり受け止めてもらえる人がいることで安心して自分をさらけ出し自分自身を見つけていけるようになった。
守秘義務について
こちらに紹介している事例は承諾を得た後、個人が特定されない範囲内での記載となります。
心理カウンセリンラーには守秘義務がございます。
カウンセリングを通して知り得た情報を本人の許諾なく開示することはございません。